国枝昌樹氏講演会報告(3)

「シリアに平和がもどるように」のテーマのもとで、3月16日に横浜情報文化センター(情文ホール)にて、講演会を行いました。(参加者106名)

3.アンケート(感想)から 

今回の講演・企画に関するご意見を多数戴いております。ご参考までに掲載致します。

・シリアの国についてほとんど知識がなかったが、講演に先立ってシリアを紹介するプレゼンテーションからどんな国なのかある程度知識をもつことができた。
・夜中に放送(NHK)されていたシリアの市民カメラマンのビデオを見て、興味を持ちましたので、もっと多くの人に現状を知ってもらえたら良いと思います。幼い子供達の死は必要なのですか?
・この講演でもっと具体的な改善点の提案があれば良かったと思います。
・国枝さんが少し慎重に言葉を選びすぎた。
・知れば知る程、分らない。
・プロジェクタで地図 都市 周辺諸国が見えるとよい。
・資料の1ページ目に式次第があると良いかと思われました。
・出来れば見解の違う三者意見が聞ける内容であれば
・シリアに付いて色々なイメージが持てたことが良かったです!!いつか平和なシリアに旅行に行ってみたいです!
・「独裁者アサド」非難一辺倒のマスコミ情報では知ることができない現地の実情を理解することができるお話でした。例えば山本美香さんの死の経緯。
・自分自身が、もう少し勉強する必要があると思いました。
・国枝元大使御苦労様です。
・すごく勉強になりました。
・シリアの紛争を1日も早く終わらせる為世界の一人一人の市民が心に留めて力を合わせる事が大切だと思います。
・正確な情報の必要性をすごく感じた。
・山本美香さんのことはすごく考えさせられた。
・著書も拝読しましたが、直接講演で話をお聞きし理解が進みました。
・国枝さんは、とてもエネルギッシュで話術も素晴らしい。ただ内容がシリアをほとんど知らない私にとってはレベルが高かったです。もっと勉強いたします。質疑応答、大変面白かったです。もう少し時間をとっても良いかと思いました。
・葉狩さんは、写真も沢山あり、とても良くわかりました。
・佐藤先生、これからも頑張ってください。応援しています。ありがとうございました。
・考え方、見方に異なりが多いのにびっくりしました。平和が早く来ることを心からお祈りします。
・日本とシリアの関係が、ここまで深く、又、心配している方々が多くいらっしゃることに感心いたしました。世界で起きる、あらゆる紛争が、多かれ少なかれ日本と関係があるのだと、改めて思いました。マスコミ報道については以前から疑問を感じていました。
・仲の良かったトルコがシリアに厳しい態度をとっていることに疑問を感じていたが、トルコの首相(エルドアン)がシリア政府内にムスリム同胞団のポストを要求したことを、アサド大統領が拒否したことから激しい攻撃をするようになったと聞き、納得できた。しかしこれはトルコの横車ではないか。
・ロシアがシリアを支持しているというのは、シリアに海軍基地を置いているからだと報道がされています。でも今回国枝さんの話によるとロシアはアメリカに対抗し、冷戦期のソ連のように世界で大きな力を持つ国への復権を目指しているだけで、別にシリアを特別に見ているわけではないということでした。この視点には気づきませんでした。  
・先日NHKのドキュメンタリー番組で、反体制派の目的が食い違って利益だけ求め、バラバラで統一できていないこと、反体制派の非人道的な行為が明らかになったこと、などほんの少しだけどやっと反体制派の行動を疑問視する内容が放送されました。でもシリアを報道するジャーナリストたちの集会を映したシーンでは「俺たちジャーナリストの行動もバラバラになってしまえば、アサド政権倒せないぞ!!」といっていました。 これ、中立客観報道も何もないですよね。今回の講演を聞いて、やっぱりジャーナリスト、マスコミは反体制側に肩入れしてアサド政権を倒そうとしてるんだなと確信しました。これからもどうなるのか。ますます混乱した状況に陥らないことを願うのみです。
・講演をお聞ききし、マスコミ報道で言われてきた"民主化=反政府側が善"、"政府側は悪"、というスローガンが如何に実態からかけ離れた妄想となっているかを認識することが出来ました。報道を見聞きする時には 表層的な意図に惑わされず、自分で考えて行くことの大切さを改めて知りました。
・今のシリアでは 武器を捨てて紛争を止めること、そして民意を活かした再建に取り組むことへの段階的なステップを踏んで行くことが今後の鍵と見えます。日本からシリアの為に出来ることを考え実践して行くことが大切と思いました。
・日本政府は、早々とシリア大使を国外退去させたり、反政府勢力を支持する集会を東京で開催したり、経済制裁を欧米に足並みそろえて直ぐにやったり、本当にシリア情勢を把握しているのでしょうか。考えもなく米国の指示に従っているのではと思ってしまいます。日本企業(三菱重工など)が実績を重ね、厚い信頼を得てきたのに、日本政府がぶちこわしている気がします。
・私はシリアで取材中に亡くなったフリ―ジャーナリストの山本美香さんとは面識があったので、彼女が政府軍に殺されたというニュースにはショックを受けた。だが、今回、国枝元シリア大使の話を聞いて、彼女が反政府軍を通してトルコ側からシリアに入国したことを知った。なぜ、シリア大使館(現存)に行って入国ビザを発行してもらわなかったのか。ベトナム戦争の取材で有名な作家の開高腱はアメリカ軍に守られての取材だったことを考えると、彼女は反政府軍の宣伝「アサド政権は残虐」に使われたとしか思えない。
市民運動を長くやってきた私の中にも、反体制・反政府軍は正しいとする考えがあることを否定できない。同じルポをする一人として、彼女の死は私に多くの事を考えさせた。また、マスコミ報道も、どちらの側に立っての報道なのかを、今後は良く見極めていかなければと痛感した。
・シリアのアサド政権は、紛争が起きて2年以上も経つのに、なぜ倒れないのか。そんな思いで、元シリア大使の国枝昌樹氏の講演会に参加して、シリア扮装は自分が考えていた以上に単純なものではないことを知った。
アサド政権がすべて正しいとは思わないが、反政府軍と称する軍隊の背後に、アメリカ、イギリス、フランスなどの影が見え隠れしていることは、シリア情勢を伝えるニュースを丁寧に見ていると気付かされてはいたが、その原因の一つに、現在、世界的に問題になっている「傭兵」の問題が存在している事に、国枝氏の講演で気づかされた。
映画好きな私が、イギリスでつくられたケン・ロ―チ監督の「ルート・アイリッシュ」を見て以来の疑問が解けた思いだった。イラク、アフガニスタン、そして、シリアへ「傭兵」産業は肥大化して、世界の平和を脅かしていることを、自分は訴えたい。シリアに、一日も早く平和が訪れることを切望している。


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