第1回桜植樹ツアー開催

第1回桜植樹ツアー報告【総括】

第1回シリア桜植樹のご報告

この度の東北地方太平洋沖大地震で被害された方々に、心からお見舞い申し上げます。

シリアでのさくら植樹第1回ツアーは、2月27日に成田を出発し、3月8日に無事帰国致しました。そのご報告をしようと思っていた矢先に、東北地域での大震災が起こり、さらに原発事故など大変深刻な事態となり、報告をしばらく控えておりましたが、無事にシリアから戻ったかどうか、植樹はどのような具合だったかなどの問い合わせが何人かの方からあり、ともかくご報告をすべきと考え、簡単にですがご報告申し上げます。

1.期間: 2月27日〜3月8日
2.植樹ツアー参加者数:12名、  植樹苗木: 100本
3.植樹場所:
◇ダマスカス市
[ 1・市内公園内、 2・国立政策大学院大学構内、 3・内務省構内、4・HIAST(高級技術科学大学、Higher Institute of Applied Science and Technology) 構内 5・職業訓練研修施設構内、 6・農業試験研究所演習地 ]
◇クネイトラ県
[ 平和祈念公園内 ]
◇ホムス市
[1・技術研修センター内、 2・ホムス市内公園、3・県庁構内 ]
アレッポ市
[アレッポ大学構内]

第1回植樹の最大の懸念の一つは苗木がスムーズに検疫を通過できるかということでした。そこで、私たちは事前に可能な限りの検査書類等の準備をして臨みましたが、シリア側受け入れ団体の努力が効を奏し、今回無事検疫を通過することができました。

植樹方法や場所の詳細なスケジュールは、シリア側受け入れ責任団体JAAS(全シリアJICA研修員協会)によって準備されました。ややタイトな日程ではありましたが、ほぼ完璧な賞賛すべき内容でありました。

私たちのグループはスケジュールに従い、副大臣、県知事・副知事、省長官、市長、大学学長・副学長等を公式訪問しました。
(ダマスカス市では、農業副大臣、国立政策大学院副学長、HIAST(高級工業大学, Higher Institute for Applied Science and Technology)副学長、内務省長官、都市計画課長等。
ホムス市では、ホムス県知事、副知事、都市計画課長、研修所所長、パルミラ市長等。また、アレッポ市では、アレッポ大学副学長、日本センター所長、等でした。)

これらの方々は、私が昨年9月に事前訪問した折にお会いした方も多く、一層親密な関係を築けたと思います。農業副大臣、ホムス県知事とは今回初めてお会いしましたが、自ら植樹グループとの面会を希望されたそうで、さくらプロジェクトに対する熱意は大変大きく、新たな提案を沢山頂きました。これから1年間かけてダマスカス、ホムスの都市計画と絡めて植樹を協議していくことになりました。

今回のさくら植樹ツアー参加者12名のうち、学生が3名と70歳以上の方が4名おられました。ご高齢の方々は、特に歴史や文化に対する造詣も深く、シリアの人々と広い意味で良い交流ができたと思っております。

平成23年 4月 1日
さくらプロジェクト代表
佐藤 義隆


第1回桜植樹ツアー報告【スピーチ】

スピーチ

 [さくらプロジェクトについて] 

アレッポ大学にて
佐藤 義隆
(趣旨をそのままにして文章化しました) 

アッサラーム アレイクム (みなさんこんにちは。)

このような盛大なレセプションを催して下さいまして、ありがとうございます。
本日ここに集まって下さいましたすべての方々に、感謝いたします。

 私はシリアに約20年前に初めて来ました。そして友人のムスタファ博士の家に滞在しました。ムスタファさんは前年に日本へ半年間JICAの支援による研究で来られ、そのとき知り合い、それがきっかけで私がシリアに来ることになったわけでした。

5日程の滞在の後、私は一人でシリア国内を旅行しました。約1週間でシリアを1周し、多くの町を訪れ、多くの人たちに会いました。そしてシリアって本当に素晴らしい国だと思いました。人々は親切で礼儀正しく、全く安全でした。そして壮大な歴史遺産を至る所で目にすることができました。

 シリアの人たちは、日本に対し良い印象を持ち尊敬しています。しかし日本人はシリアのことをほとんど知りません。私はこのシリアの素晴らしさを是非日本に伝えるべきだと思いました。しかし何もしないうちに20年近い歳月が流れてしまいました。ムスタファさんとはその後しばらく関係が途絶えていましたが、4年前から連絡を取り合うようになり、物理・数学関係の共同研究を始め、それ以後毎年シリアに来ております。

このさくらプロジェクトのきっかけとなったのは、2年前にシリアへ来た時のことです。ムスタファさんの家での朝食の後、お茶を飲みながら雑談していた時、ムスタファさんが何気なく、「ダマスカスに桜並木があったらなあ」とつぶやきました。ムスタファさんは大の日本好きで、JAAS (JICA Alumni Association SYRIA, 全シリアJICA研修員同窓会) の会長をされ、日本との友好関係を推進する民間団体の責任者でもあります。

 彼のつぶやきを聞いた瞬間、私にはシリアに美しいさくらが咲き乱れる光景が目に浮かびました。
さくらは、日本人のだれもが最も愛している花です。日本の象徴です。
シリアに桜が咲けば、日本人のシリアへの関心は一挙に高まるだろうし、その結果、シリアの人たちも日本人をもっとよく知ることができる、これは素晴らしい交流になる! と思いました。
そこですぐ、「よし、是非実現させよう!」という話になりました。

日本へ帰っていざ取り組んでみると、検疫の問題、資金の問題などなど、非常に難しいことがわかりました。しかし諦めないで試行錯誤を繰り返しているうちに何となく活路が開けて来ました。
まず日本シリア親善協会を設立し、シリアとの交流のプロジェクトとして「シリアに桜を植樹する」こととしました。
新聞(東京新聞7月13日夕刊)にも掲載され、多くの人から関心や支援が寄せられました。シリア大使館の後援も得られ、全面的な協力が得られました。

現在会員は104名です。
12歳から94歳の方まで。学生、主婦、会社員、会社経営者、自由業、無職などなど、年齢も職業も様々です。このような非常に多様な会員をもつ団体はあまりないのではないでしょうか。
ほとんどの方はシリアに来たことはありませんし、また知識も持たれていません。
 「えっ、桜を植えるの?! それは素晴らしい」
「で、シリアに?!」
「シリアってどんな国なの?」
という質問が続きます。
そこで私は、シリアは古代では日本とシルクロードでつながっていて「シリアから多くの貴重なものが日本に来ていること」「世界遺産もたくさんあり、人々は穏やかで、日本のことを大変好意を持ってくれていて、国の治安も大変よく、外国人女性が一人旅行をしても安全であること」などと説明します。

このようなことをしながら、私はシリアに桜を植えるということが日本とシリアの交流にとって、大きな役割を果たしていくと私は確信するようになっています。
 
今回、シリア側でのこのプロジェクトへの支援と準備は完璧なものでした。関わって下さった方々に厚くお礼申し上げます。特にJAASのメンバーの方々に感謝いたします。

この植樹の交流に日本から参加した人は、桜とシリアのことをいつまでも親しみをこめて覚えていると思います。 きれいな花を咲かせるためには、植樹後もお互いに協力し合って育てて行く必要があります。そのような継続性を必要とすることからも、この交流は普通行われている交流とは違う特徴があるように思っています。

アメリカのワシントンに世界の名所になっている桜並木があります。ポトマック川の桜といって、花のさく時期には盛大な桜祭りがあり、全米から観光客が沢山集まります。
この桜は90年位前に東京からワシントンに贈られ植え続けられたものですが、最初の植樹は失敗し、2回目からようやくうまくいったのだそうです。

 植樹をした苗木が美しい桜の花を咲かせるようお互いに力を合わせて頑張りましょう。
今回の第1回桜植樹は、これからのシリアと日本の親善交流の歴史的な第一歩であることを確信しております。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
ご静聴、ありがとうございました。




第1回桜植樹ツアー報告【写真1】

◇◇◇ダマスカス公園に植樹◇◇◇
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◇Ministry of Local Administration(内務省構内に植樹)◇
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第1回桜植樹ツアー報告【写真2】

◇National Institute of Public Administration 国立政策大学院にて植樹◇ 2-01.jpg


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◇◇◇Kuneitra(ゴラン高原)平和祈念植樹園にて◇◇◇
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◇◇◇ゴラン高原記念館・庁舎◇◇◇
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◇◇◇レストランにて昼食◇◇◇
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第1回桜植樹ツアー報告【写真3】

◇◇◇ホムス市公園、県庁舎構内に植樹◇◇◇
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◇◇◇ホムス県知事(左)と◇◇◇
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◇◇◇パルミラ◇◇◇
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◇◇◇アレッポ城◇◇◇
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◇◇◇アレッポ大学構内に、学生達と植樹◇◇◇ 3-05.jpg
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第1回桜植樹ツアー報告【写真4】

◇◇◇クラック・ド・シュバリエ(十字軍の城)◇◇◇
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◇◇◇ダマスカス市◇◇◇
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◇◇◇桜の苗木50本◇◇◇
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直前情報

いよいよ第1回の「桜植樹ツアー」が迫って来ました。
今回100本の苗木を持参し、ダマスカス、ホムス、アレッポの3つの町で植樹します。

チュニジアから始まった北アフリカ/中東の動きは、シリアには影響なく、植樹ツアーは予定通りです。
中東全域が不穏であるようなことはありません。
ひとくちに北アフリカ/中東といっても、各国それぞれの状況は大きく異なっています。


第1回桜植樹ツアー開催&参加者募集

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一緒にシリアに桜を植えに行きませんか?


第1回桜植樹ツアーのチラシが出来ました

※画像をクリックすると拡大します。

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PDF版はこちらからダウンロードしてください→ 【表】【裏】



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